見る場所

一般的な見る場所と高さ <小樽市内>

場所としては、『高島おばけ』という名の由来となった近くの 高島漁港沿岸を始め、色内埠頭(公園)、小樽港の南北防波堤天然温泉湯の花・手宮殿そばの手宮の厩(うまや)岸壁など釣りに適している場所とほぼ一致します。(参照:おおよその位置をGoogleマップでリンク、下図は全体位置---クリックすると拡大表示)

また、祝津(しゅくつ)、赤岩、豊井(浜)朝里などもお勧め。張碓(はりうす)もいい位置です。

さらに、JR小樽築港~銭函駅間(約10~12分)では、列車が海岸沿いを走るので、車内で蜃気楼化しやすい)石狩湾新港の球形タンク群や高島岬などをチェックするのもおもしろい。

公共交通機関に乗車したまま上位蜃気楼(=高島おばけ)が見られるのは、全国でもここだけかもしれない。

その他にも銭函(ぜにばこ)サンセットビーチ、ドリームビーチなどもお勧め。それから、余市、蘭島忍路(おしょろ)塩谷地区(上記地図外で西側に位置する)から、赤岩・高島岬方面のほか、積丹(しゃこたん)方面や石狩市厚田などの海岸沿いの地形や船舶などを探すのも有効です。

 

究極は、自宅や自宅マンション等から対岸の石狩湾、特に石狩湾新港の球形タンク群が見られる方です。これが一番楽です。 さらに、見る場所の標高が低い方がベストオブベストとなります。

【参考】

海外の文献によると、目線が地表から30cm程度なら、暑くなった砂浜に冷たい(海)水が入り込むような環境で整えば、上位蜃気楼が見られる可能性があるそうです。⇒実際、私も銭函海岸でこれを確認しました。


ちなみに、このケースは芥川龍之介の短編小説『蜃気楼』で主人公が藤沢市鵠沼(くげぬま)で蜃気楼を見たという例に近いかもしれません。 興味ある方は読んでみてください。カラスが反転像を伴って見えたそうです。

ref. この短編小説は、大正15年10月に鵠沼海岸で蜃気楼を横浜工専の学生(高木和男氏)が撮影し、後に新聞記事報道で評判になり、それを題材として作られた作品だそうです。

気楽に見る場所 <車の中で>

音楽やラジオなどを聞きながら車の中で気楽に『高島おばけ』(=上位蜃気楼)を観察したいなら、上記にあげた場所のうち、祝津(しゅくつ)、高島漁港、色内埠頭、勝内埠頭、朝里、おたるドリームビーチ(銭函)などがいい。これなら女性でも抵抗は少ないでしょう。

 

気軽に見る場所 <室内で>

もっと快適に食事やお茶を飲みながら、観光の途中や、室内で休憩しながら上位蜃気楼を観察したい方は次のところがお勧めです。陽に当たらないので、女性にはうってつけかも...。

小樽運河沿いのホテル(ふる川小樽ホテルノルドホテルソニアなど)の上階やその一部のレストラン、堺町のルタオの4F展望室[無料]祝津ノイシュロスホテル、小樽築港にあるグランドパーク小樽内の海側レストラン、コーヒーショップ、喜久屋書店(Seaside Reading room)新日本海フェリーターミナル の2Fレストラン(シーガル)、銀鱗荘などがよいでしょう。

 

銭函(ぜにばこ)では駅前のすし屋(海銭亭)カレーレストラン(スーリヤ)のテラス席、しろくまのテラス席、旧海商の向かいにある蕎麦屋(海景庵)、 ビーチ沿いのホテルなどがいいでしょう。ただし、飲食店の場合、長居は禁物です。

 

 気楽に見る場所 <船上で>

船上から見るのも可能です。 一般的には、モーターボート釣り船です。高島おばけが発生する要因である上暖下冷の空気層ができやすい、高島岬から小樽港辺り、および石狩湾新港からおたるドリームビーチ近辺から(8~)12Km程度以上離れている場所に移動すれば見ることができるでしょう。(下図参照:クリックすると拡大表示)

過去の高島おばけ発生場所と目撃情報

図中の黄色の星印は、1846年に松浦武四郎が見たと想定される地点です。

(私はこの反対側、銭函海岸から高島岬やトド岩の蜃気楼を何度も確認しています。)

観光船・尾形船

コースが決まっているが、小樽海上観光船(小樽観光振興公社)を利用する方法があります。その場合、 防波堤内側の小樽港をめぐる尾形船よりも祝津(しゅくつ)・オタモイ航路の方が、高島おばけを見られるチャンスが多いでしょう。スマホのカメラでも蜃気楼を撮影できそうです。

 

小樽観光振興公社 tel. 0134-29-3131 
  小樽→祝津片道(片道20分) 

  小樽港第三号埠頭⇔小樽港第三号埠頭(オタモイ周遊:90分)

モーターボート

シーズン中なら、小樽築港から、マリンウェーブ小樽(tel. 0134-22-1311)のトド岩クルーズ、窓岩クルーズなどを利用する手があります。価格は4~5千円程度

フェリー

新日本海フェリー上から見ることもできます。その際、船舶の低い位置から眺めた方がよいでしょう。ちなみに、朝里や銭函海岸からそのフェリーがボックス型になったり、側面のカモメマークの伸び上がっているのを何度も確認しています。

小樽市以外の地区

札幌

札幌中心部で20F以上のビルやホテル琴似の高層マンション手稲山口展望デッキ星置周辺のマンション、手稲山麓の高台(ほしみ、星置、稲穂駅周辺の山側)などから『高島おばけ』(=上位蜃気楼)を見ることができます。標高が高くなるとやや不利ですが、間違いなく見られます。

 

以下は星置駅の山側から撮影した「高島おばけ」です。海岸まで出かけなくても観察可能です。 

星置から見えた高島おばけ
蜃気楼化した高島岬とトド岩

左画像は、実際に、2007年6月12日に確認したもの。(約18Km先)

 

駅舎内の窓からもこの方向が眺められるので、陽があたるのを避けたい女性でも観察しやすい場所といえます。

 

画像からは、おたる水族館のある高島岬と右端に見えるトド岩が蜃気楼化され、変化しているのがわかる。 変化の大きさとしては、小から中規模といったところだ。

以下は 札幌JRタワー展望室T38 (約160m) からの眺めで、ドリンク類を飲みながら高島おばけがチェックできる。

札幌JRタワーから見た球形タンク群

札幌市街と日本海・球形タンク群 (約16Km先)

 

距離が比較的近いけれども、このタンク群が蜃気楼化し、伸び上がったり、反転像を作ればすばらしい眺めとなるでしょう。

札幌JRタワーから見た高島岬とトド岩

手稲方面と小樽赤岩/高島岬/トド岩 (約33Km先)

 

観察位置が高いので、このぐらいの距離がある方が、「高島おばけ」を見る可能性が高いでしょう。我と思わん方は、ぜひ観察してみてください。

札幌JRタワーから見た厚田、雄冬岬
 

雄冬岬方面・石狩河口橋・北石狩衛生センター

 

狙いどころは、右端の北石狩衛生センター。手前側の札幌市内の建物などが蜃気楼化し、それを撮影できたら新聞の一面に出ること間違いなし。

その他には、札幌駅近くの 京王プラザホテル(札幌) からは、ビルとビルの間に高島岬やトド岩が見える。22Fにある和食レストラン『みやま』(約80m)から高島岬とトド岩が見える席がある。ランチを食べながら「高島おばけ」を観察するのも乙なものだ。 (ランチ類は1500円~2500円程度)

 

また、センチュリーロイヤルホテル23Fにあるレストラン「ロンド」からも同じように見える。(ランチ類は1600円~4500円程度)

 

JR札幌駅北口側の「札幌第一合同庁舎」17F(約70m)の軽喫茶「スカイアベニュー」からは、石狩湾新港の球形タンクタンク群や北石狩衛生センター等が見渡せる。ここはドリンク類も数百円と安いので意外と穴場かもしれない。

 

そして、「札幌市役所」19Fにある屋上の展望回廊からは、ビルの隙間から、ぎりぎり高島岬やトド岩が見える。

石狩

石狩浜から見た高島岬とトド岩
石狩浜より見えた蜃気楼化した高島岬とトド岩

従来から、石狩地区から日没時の変形太陽やグリーンフラッシュ(屈折現象の一種)は一部で知られていた。最近になって、「いしかり砂丘の風資料館」の学芸員が、高島岬方面の上位蜃気楼を目撃、撮影し新聞等に紹介されています。

左画像は2019年6月2日撮影(普段は右側のトド岩や中央の岩(えぼし岩?)がほとんど海面に埋もれている)

積丹(しゃこたん)

積丹から狙える高島おばけポイント

余市(よいち)の北西側にある烏帽子岬、ワッカケ岬、古平町の御崎(みさき)町や古平漁港、積丹町マッカ岬などから、忍路(おしょろ)の竜ヶ岬やオタモイ海岸などの地形、赤岩山麓の海岸沿い地形やトド岩、海上の船舶などを見るとよい。

 

 実際、2008年6月5日にワッカケ岬近郊から海上のフェリーや塩谷海岸、オタモイ海岸などが蜃気楼となり、その撮影に成功した。

 

尚、この方向から「高島おばけ」の姿を目撃すれば、江戸時代末期に最初にそれを確認したといわれる松浦武四郎と同じような経験をすることになります。

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