蜃気楼の種類

名称 像数 簡単な説明 イラスト

上位蜃気楼

(Superior mirage)

正立像の上に 反転(倒立)像が見られる現象---春の蜃気楼ともいい、上暖下冷の環境で発生する。 頻度はかなり少ない。
日本で、石狩湾、根室地方、オホーツク海、富山や琵琶湖、伊勢湾などで確認されている。尚、上方、上部浮上蜃気楼と表現することもある。

上位蜃気楼

(Superior mirage)

反転像のある上位蜃気楼のさらに上に3つ目の像、正立像ができる珍しい現象。

下位蜃気楼

(inferior mirage)

正立像の下に反転像が見られる現象 ---冬の蜃気楼ともいわれ、頻度が非常に多い。上冷下暖の環境で発生する。地域や発生場所により多くの名がある。発生場所により逃げ水地鏡浮島現象などと呼ばれる。
尚、下方、下部沈下蜃気楼と表現することもある。

浮き上がり

(looming)

通常、水平線の下にある物体が浮き上がる屈折(光学)現象

沈み込み

(sinking)

通常、水平線の上にある物体が沈みこむ屈折(光学)現象

伸び上がり

(towering)

物体が縦方向に上に伸上がって見える屈折(光学)現象

縮み/つぶれ

(stooping)

物体が縦方向に縮んでつぶれて見える屈折(光学)現象

横(側位)蜃気楼

(lateral mirage)

正立像の横に反転(倒立)像が見られる現象。側方、又は鏡映蜃気楼ともいう。 ---ごくごくまれに見られる。最近は見られないようだが、熊本八代海の不知火(しらぬい)が 有名。 海外では、ドーバー海峡、メッシナ海峡、シュトラルズント海峡などで起きるようです。
ref. 『不知火新考』立石巌(築地出版 1994)を参考

レイト蜃気楼

(late mirage)

Wegener's late mirageや Nachspiegelungともいわれ、目線より上の温度逆転層を通って起こる現象。主に遠方の山に見られる。 イラストなし

モック蜃気楼

(mock mirage)

目線より下の温度逆転層を通って起きるもので、主に太陽が昇ったり、沈む際に起こる現象。グリーンフラッシュを伴うことも多い。 イラストなし

ファタモガーナ

(Fata Morgana)

hillingarともいわれ、複雑にからみあった像(伸び上り・反転・ゆがみなど)があらわれる稀な現象で、普段は見えない百Km以上も離れた場所や地形が、見える場合がある。 イラストなし 

ファタブロモサ

(Fata Bromosa)

  霧の蜃気楼といわれ、ファタモガーナと似たような状況で起こるが、距離的には短く、かすんだ感じの平坦で均一な像を作りやすい。それは、海上や雪面上に浮かぶ輝く濃霧(=霧峰)のような感じである イラストなし

ノバヤゼムリヤ現象

(Novaya Zemlya)

  極地方で、本来見えない太陽が、光の屈折により通常よりも早く顔を出し、ゆがんだ像を作る現象をいう。1596年に、ウィレム・バレンツ(オランダの探検家)一行が、ロシア北部のノバヤゼムリアで初めて観測。 イラストなし

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